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薪御能 二日目

二日目
 御社上り(みやしろあがり)の儀
  日時 5月19日(土)午前11時始
  場所 奈良市春日野町春日大社若宮社
      「社頭法楽」の最も古いかたちとも言える御社上りの儀は、神殿を背にして、「四方正面」の型で行
      なわれ、また橋掛かり通常の反対で右側となり、非常に珍しい舞台となります。

  演目 金春流能「玉葛(たまかづら)」金春穂高
僧が長谷寺参詣を思い立ち、初瀬川にたどり着くと川に棹さす舟がやってくる。舟を操る女はこの
川が和歌にも詠まれた名所であると教え、二本の杉に案内し、玉葛と右近の邂逅の物語を教える。
さらに玉葛の不遇の身の上を語ると、自分こそその玉葛であるとほのめかし弔いを求めて消える。
僧の弔いに、心乱れる有様で現れた玉葛の霊。深い迷いの心を晴らして成仏する。


     「下行」  春日大社より演者に褒美として神酒が与えられる儀式



 南大門の儀 午後5時半始
  場所 奈良市登大路町48興福寺南大門跡般若の芝
  演目 舞台あらため・外僉義(げのせんぎ)興福寺衆徒


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     金春流能「頼政(よりまさ)」金春安明
諸国を廻る僧が都から南都へ向かう途、宇治に立ち寄る。そこに老人が現れ、宇治の名所を教え、
さらに平等院へと導くと、頼政が自害した跡だという扇の芝について語る。すると老人は自分こそ
がその頼政であると名乗り姿を消す。里人から頼政の自害をした宇治の合戦について聞いた僧が、
仮寝をしていると、法体で甲胄を着た頼政の幽霊が現れ自らの境遇を語りだす。頼政の霊は弔いを求
めて消えていく。


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     火入れ 興福寺衆徒


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     大藏流狂言「梟(ふくろう)」茂山千三郎 茂山忠三郎
山から戻った兄太郎冠者は様子がおかしい。日ごろからお世話になっている山伏を呼ぶ。兄が奇声を
あげることから、山で巣を下ろしたことが原因で梟に取り憑かれた、と悟った山伏は、烏の印を結び
祈祷をはじめる。しかし、その効力はなく、逆に弟もそして山伏も梟に取り憑かれてしまう。


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     観世流能「巻絹(まきぎぬ)」観世喜之
廷臣は熊野に行き千疋の巻絹を集める旨を述べ、従者とその任にあたる。そのころ都からの使者は巻
絹を携え熊野に向かう。その途次、音無天神に立ち寄り手向けの和歌を詠じる。そのため遅参し、使者
は廷臣に糾問され縛り上げられる。すると、音無天神が憑依した巫女が現れ、使者が遅れた理由を説明
し男を救う。女は和歌の威徳を賛えて舞い、続けて祝詞を捧げ舞い狂う。やがて憑依していた音無天神
は巫女から離脱、女は正気を取り戻す。


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     附祝言
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by easysailing | 2018-05-19 21:00

薪御能 初日

薪御能 
近年、各地で野外能や薪能が行われていますが、古来、薪能といえば、興福寺南大門前の芝生で演じられて
きたものを指し、各地の薪能は戦後これに倣ったものです。
869年、興福寺修二会で薪猿楽が舞われたと伝えられており、能楽が大成される室町時代に、最も盛況を極
めたといわれています。
18日は午前11時より春日大社舞殿で「咒師(しゅし)走りの儀」、19日は午前11時より春日大社若宮社で
「御社上り(みやしろあがり)の儀」が奉納された後、午後5時半から(18日は雨天予想のため奈良県文化会館
国際ホールにて)興福寺南大門跡般若の芝で「南大門の儀」が執り行われました。

一日目
 咒師走り(しゅしはしり)の儀
  日時 5月18日(金)午前11時始め
  場所 奈良市春日野町春日大社舞殿 
  演目 金春流能 「翁(おきな)」 金春憲和 他
         「千歳(せんざい)」 「延命冠者(えんめいかじゃ)」 茂山千五郎
         「三番三(さんばそう)」 大藏彌太郎
      ここで奉納される「翁」は、浄衣姿の三人の翁と、素襖姿の三番三と千歳とで勤める古いかたち
      を留め、また「十二月往来」は、現行観世流のものより一段と古雅な詞章を伝え、宝数えのめで
      たい章句がつくのが特徴です。
    「下行」  春日大社より演者に褒美として神饌と神酒が与えられる儀式


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 南大門の儀
  日時 5月18日(金)午後5時半始
  場所 奈良市登大路町48興福寺南大門跡般若の芝
  演目 舞台あらため・外僉義(げのせんぎ) 興福寺衆徒
       当初 薪御能では、舞台が野外の芝生であったため、「和紙三枚を踏んで湿り気があれば公演を
      中止する」という取り決めがありました。現在では敷き舞台の上で行うためその必要はありませ
      んが、芝の湿り具合いで能の有無を定めていた事を今に伝えるため演能の前に興福寺衆徒(僧兵)
      により「舞台あらため」が行われ、人々にその結果を伝える外僉議文が読み上げられます。
      これらの儀式は他では見ることのできない薪御能だけの特色です。


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     宝生流能「俊成忠度(しゅんぜいただのり)」辰巳満次郎
一ノ谷の合戦で忠度を討ちとった岡部六弥太忠澄が俊成のもとへ忠度の歌が書かれた短冊を持って
来る。すると俊成の前に忠度の霊が現れ、『千載集』に自分の名前が記されていないことを嘆くの
であった。忠度と俊成は和歌について語り合うが、修羅の苦しみが忠度を襲う。忠度は修羅道の戦い
の様子を見せると、夜明けとともに姿を消すのであった。

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     火入れ 興福寺衆徒


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     大藏流狂言「雁礫(がんつぶて)」茂山千五郎
  弓矢の名手を自負する大名が雁を射ろうとするがなかなか定まらない。そこに男が現れて石礫を打ち、
あっさりと雁を仕留めてしまう。大名は男を呼び止め、雁は自分が弓矢で射たのだと言い張って権利を
主張しはじめるが、男は譲らない。大名は弓矢で脅し、男は逃げて助けを呼ぶ。そこに駆けつけた男が
済人を申し出る。事情を聴いた済人は雁をもとの場所に置き、大名が射ることを提案する。先程の雁を置
いて射させるが、放たれた矢は外れ、男が雁を持って去る。


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     金剛流能「黒塚(くろづか)」金剛流宗家 金剛永謹
諸国行脚の熊野修験の東光坊祐慶とその一行が陸奥安達ヶ原で日が暮れてしまう。そこに明かりの見え
たひとつ家に宿を求める。老女は気の毒がりしぶしぶ二人に宿を貸すのであった。客人をまえに糸繰をま
わし、世の無常を嘆く老女、やがて薪を拾いに行くと述べ、閨を覗かないようと強く言い置き、女は家を出
る。禁じられると見たくなる。二人は閨を覗くと、そこには腐乱した死体の山。女は安達ヶ原の黒塚に籠る
鬼であった。あわてて逃げ出す二人に鬼女が秘密を暴かれた怒りに燃えて追いかけ、取って喰わんとする。
翻って二人は必死に法力で立ち向かう。五大尊明王に祈ると鬼女は弱り果て、己の姿に恥じ入りながら去っ
ていく。


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     附祝言

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by easysailing | 2018-05-18 21:00 | 演能日誌

櫻間初花会

櫻間初花会
 日時 5月5日(火)11時始
 場所 埼玉県越谷市花田こしがや能楽堂
 演目 金春流舞囃子「羽衣(はごろも)」「三輪(みわ)」

    金春流仕舞 独吟 連吟 金春流シテ方今井節 社中

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by easysailing | 2018-05-05 18:00 | 演能日誌

東大寺盧舎那仏慶讃能

東大寺盧舎那仏慶讃能
日時 5月2日(火)午後3時始
  場所 奈良市雑司町東大寺 大仏殿前鏡池上特設舞台
     雨天のため 奈良市春日野町101奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~
にて奉納されました。
演目 
 観世流仕舞「田村(たむら)」山下あさの
      「小塩(おしお)」塩谷 惠
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 金春流連吟「玉葛(たまかつら)」辻本 實 他
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 観世流能「屋島(やしま)」山中雅志
  屋島での源平の合戦の模様―義経の立派な大将軍のいで立ち、景情と三保谷の錣引、佐藤継信と
  菊王丸の壮烈な最期―を旅僧に語った漁師は、義経の幽霊であった。やがて僧の夢の中に甲冑姿
  で現れた義経の幽霊は、まだ屋島に執心が残っていると語り、落とした弓を取られまいと身の危険
  も顧みず拾い上げた弓流しの様や修羅道での戦いを見せたかと思うと春の夜は明け夢はさめ、浦
  風の音が聞こえるのみ。

 附祝言
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by easysailing | 2018-05-02 21:00 | 演能日誌