なら燈花会能
日時 8月11日(日)午後2時始
場所 奈良市春日野町101
奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~ 演目
観世流能「三輪(みわ)」武田宗典
大和の国桧原の里の庵室に住む玄賓僧都のもとに、いつも樒閼かの水を持って来る女 今日も来て
衣を賜りたいと願う。僧都が与えて棲み家を聞くと、三輪山の杉のあたりと答えて姿を消す。女に
与えた衣が、神前の杉に掛かっていて、その裾に神託の和歌が記してあった。やがて女姿で三輪の
神が現れ、三輪の神婚説話が語られ、さらに天照大神の天の岩戸隠れの様が語られ神楽を舞い、暗黒
の世界が再び日月が輝き、伊勢の神と三輪の神は一体分身であると述べ、夜明けとともに消えてゆく。
観世流仕舞「枕慈童(まくらじどう)」佐野和之
「芭蕉(ばしょう)」塩谷惠
「融(とおる)」山下あさの
大藏流狂言「蝸牛(かぎゅう)」茂山七五三 丸石やすし 茂山宗彦
太郎冠者長寿の薬となるかたつむりを知らない。ただ頭が黒くて、腰に貝をつけ、時には角を出し、
大きいは人ほどもあり、たいていは薮に住んでいるとだけ聞いて、主命により探しに来る。
大きな薮を見付け入ってみると、そこには先刻、羽黒山の山伏が大和の葛城で修行を積んでの帰り
道、眠くなり寝ていた。見れば頭が黒い、もしやかたつむりではと思い、山伏を起こす。かたつむ
り殿ではないかと聞かれて驚いた山伏、チト嬲ってやろうと、かたつむりだと名乗る。太郎冠者、
頭が黒いは兜巾、腰に貝はほら貝、角はスズカケ、間違いない、是非来てもらおうと頼むと山伏は、
囃子物が好きで囃子物にのってなら行ってやろうと言う。早速囃すとそれに乗って来る。さて、帰り
が遅いので探しに来た主人、これを見て太郎冠者にカタツムリではなく山伏だと注意するが、その
うちに主人までもつられて三人帰って行く。
金春流能「俊寛(しゅんかん)」櫻間金記
平家政権転覆を図った俊寛僧都、平判官康頼、丹波少将成経三人、計画は露見し捕らえられ南国の
孤島鬼界島に流刑される。折しも清盛の娘中宮が懐妊し、安産祈願のために赦免使が鬼界島に赴く。
島では水を酒になぞらえて飲み交わし、栄華の昔を忍び、今の身の上を嘆いているところへ、都より
の使いが到着する。赦免状を渡されて読み上げる康頼、それを聞き入る二人、俊寛の名前がない。
繰り返し見ても、裏返し見ても、礼紙を見ても俊寛の名前はない。絶海の孤島にただ一人残されると
知った俊寛は怒りと絶望にうち震えるが船出の時が来る。船のとも綱にしがみつくが突き放され、
力尽きた俊寛は渚から離れ行く人と船影を寂しく見送りやがて視界より消えてしまう。
主催 特定非営利活動法人 奈良能 前売り券一般5.000円 学生2.500円
当日券 一般6.000円 学生3.000円
当日正午より座席指定