1月8日午後1時30分より
奈良県新公会堂能楽ホールにて、金春流シテ方(NPO法人奈良能理事長)石原昌和解説により能番付けによる演目・能面の違い等をわかりやすく説明され演じられた。
また解説終了後、参加者が足袋を付けて舞台に上がり、能面を付けいわば覗き孔のような目からどのようにして演者の動いてるのか体験した。
またエントランスホールでは、能面、衣裳等の展示が行われ、ビデオ上映での能の解説も行われた。
「翁付き」「式三番」
「桃香野翁」(月ヶ瀬) 南浦潔
毎年10月23日奈良市月ヶ瀬地区桃香野八幡にて演じられている。「おひねり」の投げ入りがある興味深い形式

初番目物(脇能物) さわやかに澱みなく奏演される
神霊の夢幻能「高砂」「竹生島」など
「高砂」 山中雅志
二番目物(修羅物) 勇壮にきびきびと奏演される
武士の霊の夢幻能「八島」「清経」「田村」など
能面の違いが解説された
勝修羅 源氏の物 赤い面で目が丸い等 負修羅 平家の物 白い面で目が細い等
「八島」 本田正人
三番目物(髷物) 優美にしっとりと奏演される
「井筒」「野宮」「雲林院」「杜若」「西行桜」「熊野」など
女面の違いが解説された
輪郭が丸いと若い女、目が四角く抜いてあると優しく見える
「羽衣」 塩谷恵
羽衣は昼間の能である(ほとんどの能は夜間の能)
四番目物(他の曲籍に属さない全ての能、強いていえば狂い物) 変化を尽くしておもしろく奏演される
「三輪」「求塚」「善知鳥」「恋重荷」「三井寺」「班女」「安宅」「葵上」「道成寺」「邯鄲」など
「芦刈」 松谷吉蔵
「隅田川」 桜間右陣
普通は榊に紙垂を付けるが、笹竹に紙垂を付け登場する。すなわち狂っている女となる
五番目物(切り物) 手強く運びよく奏演される
「融」「野守」「殺生石」「紅葉狩」「羅生門」「鞍馬天狗」など
「野守」 山中雅志
「翁付き」の場合最後にめでたい能を演じる。これを特に祝言と称する「石橋」「猩々」など
「翁付き」でない場合、祝言は演じないが、地謡が祝言の能の最後の数句を謡う。これを「付祝言」という
「猩々」 山中雅志
能番組解説後、入門講座参加者が用意された足袋を履き、舞台に上がり能面を付けてもらい視界の狭さや仕草の一部を体験した
エントランスホールでは能面・衣裳の展示、翌日の」土蜘蛛」の作り物の展示が行われ、ビデオ上映もされた