一休寺薪能
日時 9月24日(木)午後5時半始
場所 京田辺市薪里ノ内102
酬恩庵一休寺 今年で第31回を迎えます一休寺薪能が、重要文化財の方丈にて、一休禅師像の目と鼻の先で演じられます。
演目 観世流仕舞「玉之段(たまのだん)」 大槻裕一
大藏流狂言「清水(しみず)」 茂山あきら、丸石やすし
天下治まりめでたい御代とあって、方々で茶の湯の会が催されている。主(アド)も明日の催しのために、
太郎冠者(シテ)に野中の清水に行って水を汲んで来るように命じる。太郎冠者は「七つ下がって(午後
四時以後)清水へ行くとガゴゼが出る」と断りますが、それは子供だましに言うことだとたしなめられ、
秘蔵の桶を渡され水汲みに出掛けるが、どうしても行きたくない太郎冠者は、一計を案じて桶を隠し、鬼が
出たと逃げ帰って来る。秘蔵の桶が鬼に噛砕かれたと聞いて恐ろしくもあるが、やはり桶が惜しくて取り戻
しに主人は清水に出向く。鬼の出るわけはない。太郎冠者としては大芝居をうつのだが・・・
観世流能「野宮(ののみや)」 大槻文藏
諸国一見の僧が野宮の旧跡を訪れたたずんでいると一人の美しい女(前シテ)が現れ、もの寂しい野宮の秋の
情景の中に我が身の上を嘆く様を見せるので、僧が身元をただすとそれには答えず、今日長月七日は光源氏が
野宮に六条御息所を訪ねた日であると述べ、荒れ果てた野宮でその昔を偲ぶ。問われるままに華やかな六条
御息所の東宮妃の時代から、一変して宮との死別、光源氏との恋の破局と淋しい身の上を語り、六条御息所で
あることを明かして黒木の鳥居に立ち隠れ姿を消す。
所の者に御息所と光源氏のことを聞き、勧められるままに夜通し御息所を弔うと、六条御息所の亡霊が網代車
に乗って現れる。加茂の祭の日に、葵上と車争いをして自分の車が押しやられ辱められた事を嘆き、その妄執を
晴らしてほしいと頼む。そして昔を偲び舞を舞い、光源氏が野宮を訪ねてくれた時を懐かしく思い舞い続けるが、
生死の道に迷う身は神の意にも添わないと言い、また車に乗って火宅の門を出て立ち去る。