第8回しまなみ海道薪能

平成18年7月29日
 場所 愛媛県今治市大三島町大山祇神社
   源義経をはじめとする武将が奉納し国宝・重文指定を受けているの甲冑の8割が集まっている瀬戸内海大三島、大山祇神社大楠(国指定天然記念物)前にて、人間国宝のワキ方下掛宝生流「宝生閑」、笛方一噌流「藤田大五郎」を例年のように迎え、神秘なる楠の樹精の下で薪能が催されました。
演目
   観世流能「清経(きよつね)」(恋之音取(こいのねとり)) 観世喜之
       源平合戦のさなか、世をはかなみ入水自殺した平家の公家平清経。形見を手向返
     す。妻の夢中にあらわれ、平家の負け戦のありさま、笛を吹き今様を謡い船から水中に
     飛び込み死んだ我が身のありさまをを語る。
     「恋之音取」は数多く演じられている「清経」とは違い、笛方、シテ方にとっては重い習い
     物です。清経の霊が出る時、笛方は笛座の位置から地謡前まで出てシテの動きにあ
     わせ笛を吹き、またシテ方は笛の音に合わせ歩を進める。シテと笛のやり取りは、予断
     出来ない興味深い物です。
     人間国宝藤田大五郎の笛、観世流の重鎮・観世喜之の運びは他に類を見ない素晴ら
     しい舞台でした。

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   和泉流狂言「蚊相撲かずもう」 三宅右近
     太郎冠者が連れ帰った新参の者は、蚊の精が人に化けた男。大名がその男と相撲を
     とるが、たちどころにプスリ。風に弱い蚊だが、油断は禁物、勝負やいかに。

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   観世流能「碇潜いかりかずき」(船出之習ふねでのならい) 観世喜正
     壇ノ浦の軍物語。能登守教経の奮戦のありさま、後半では二位尼、大納言局、安徳
     天皇、知盛が船に乗り現れ、天皇の悲劇を語り、知盛の奮戦、碇を戴いて海中に飛
     び入る最後を見せる。
     通常観世流の「碇潜」では知盛だけが僧の前に現れるが、今回の「船出之習」では、大
     屋形船に二位尼、大納言局、安徳天皇、知盛が乗り込む演出です。本来はこの演出で
     あったと思われます。

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by easysailing | 2006-07-29 21:00 | 演能日誌


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