第40回なら芝能能日時 11月5日(日)
第一部午後1時~午後2時
場所 奈良市登大路町6-2
奈良県文化会館小ホール 演目・内容 能楽入門講座と本日の曲目解説など 参加料 有料ですが、第二部芝能にてイス席をご用意致しました。
第二部午後2時半~午後4時半
場所 奈良市登大路町
奈良県庁舎前広場 芝生舞台 立ち席は無料ですが定員制限設けました。
演目 子供狂言「いろは」倉家奈夕 今久保胡々音 井倉清繁
観世流仕舞「龍田(たつた)」佐野和之
「花筐(はながたみ)」塩谷 惠
「春日龍神(かすがりゅうじん)」山下あさの
金春流仕舞「青丹吉(あおによし)」長谷猪一高濱虚子が東京放送局からの奈良朝のことを謡に作ってくれぬかと
の依頼を受けて作ったのがこれである郎
百官の衣更へにし奈良の朝 虚子
といふ句を作ったこともあるやうに、奈良朝といへば何となく規模雄大に文物燦然たる様が想像される。今残って
いる堂塔伽藍が之を物語ってゐるばかりでなく、たとへば春日山と嫩草山とを見ても、一方は木を茂らせ一方は芝
山にした如きも、もとの奈良の町の中心から見た大きな庭の眺めとも見るべきもので、こせこせした後世の造園術
に比べたら大分大きな仕事のように思はれ、兎に角人の心動きが大きかった時代であるやうに思はれる。
奈良は金春流に縁故が深いので、放送の時は其作曲、実演を櫻間金太郎氏に依頼した。
以上が昭和十五年二月一八日、謡本の出版に際して虚子が書いた序文である。序に書かれているほか光明皇后と施薬
院、山焼き、遣唐使、阿倍仲麿の望郷の歌、そして小野老の青丹吉奈良の都は咲く花のが高らかに歌い上げられる
大藏流狂言「呼声(よびこえ)」茂山千三郎
暇も乞わずにどこかへ出掛けた太郎冠者が、どうやら戻ったと聞いた主人は次郎冠者を連れて叱りに太郎冠者
の家に出向く。二人は代わる代わる案内を乞うが、太郎冠者はそれと察して居留守を決め込む。平家節、小歌
節、踊り節、ならば二人がかりで踊り節・・・・ つられて出たは・・・・・。
観世流能「葛城(かずらぎ)」山中雅志
出羽の羽黒山の山伏(ワキ)が大和の葛城山で雪に降られ困っていると、手に木の小枝を持つ里女が現れて自
分の庵に案内し、夜寒になるとしもとを解き焚き火をしてもてなす。しもとの事を尋ねると、雪山の中で集め
束ねた木の枝をしもとと言い、葛城山に縁が深く古今集の古歌を引く。山伏が後夜の勤めをしようとすると、
女は蔦葛で身を縛られていて三熱の苦しみを訴えて、加持祈祷をしてほしいと言うので、その訳を聞くと自分
は葛城の神であるが、昔、役の行者に命じられた橋を懸けなかったが為と答え姿を消す。
里人(アイ)から葛城山の岩橋の話を聞き夜もすがら女神のために祈祷していると、葛城の神が現れ三熱の苦
しみから解かれたことを喜び、縛られている様や見苦しい顔ばせを恥ながらも、舞を舞い夜明けにならぬうち
にと岩戸のうちに姿をかくす。