一休寺薪能
日時 10月12日午後5時半 始め
場所 京田辺市薪里ノ内102
酬恩庵一休寺
今年で第26回を迎えます一休寺薪能が、中秋の名月の前夜、重要文化財の方丈にて、一休禅師像の目と鼻の先での能・狂言が演じられました。
演目 金剛流仕舞 「融(とおる)」 金剛龍謹
大藏流狂言 「栗焼(くりやき)」 茂山千五郎
到来物の四十個の栗を、焼き栗にして客をもてなそうとした主人は、太郎冠者に栗を焼くように命じる。台所でみごとに焼き上げた栗を見て、味見した太郎冠者、一つで終わることはなく、ついにすっかり食べてしまう。さて、その言い訳は・・・・
栗を焼く様食べる様、これが見どころ、太郎冠者の独り芝居。扇がいろいろなものに用いられる。竈の神は台所に祭られる神で、その家の神として家人を守り、またその人たちの運命をも司る神。その神は三十六人とも言われている。
竈の神夫婦、またその公達三十四人、なるほど足せば三十六人。それを四十に引き伸ばされねば数は合わない。
金剛流能 「黒塚(くろづか)」 金剛永謹
大小前に出された作り物は、最初は野中にある一軒家、あとでは女主の寝屋を表す。
熊野の阿闍梨祐慶と同行の山伏は、諸国行脚の途中、陸奥の国安達原に着く。
日も暮れ明かりを頼りに野中の一軒家に宿を借りる。山伏達が見慣れぬ枠桛輪に興味を示し使うところを見せてほしいと頼むと、女主は旅の慰みにと京の風物を取り込んだ「糸尽くし」の唄を謡いながら、糸車を回し糸繰りの技を見せる。やがて夜更けになり、女主は焚火の薪を取りに行くと言い、留守中に決して閨の中を見ないように念を押して、山に出掛けて行く。能力はあまりにくどく「見るな」と言うのに不審を感じ、女主との約束を守る山伏達の寝入った隙に閨をのぞく。中には人の死骸が山と積まれているので、驚いて山伏達に鬼の住家だと知らせる。驚いて逃げる一行を先刻の女は鬼女の本性を現し、山伏達の違約を責めて襲い掛かるが、ついに折り伏せられて、恨みの声を残し夜嵐とともに消え失せる。